脚本・演出、童話創作の傍ら、音楽劇の制作に取り組む佐野語郎の活動紹介~作・演出に『全体演劇 わがジャンヌ、わがお七』ほか。出版に『ほしのこ ピッカル』『雪女とオフィーリア、そしてクローディアス 東京ミニオペラカンパニーの挑戦』ほか。
【覚書】六月大歌舞伎 八代目尾上菊五郎 六代目尾上菊之助襲名披露
*公式サイトはこちら歌舞伎座27日まで5月の團菊祭に続いてこの月も襲名披露が行われた。【昼の部】☆「元禄花見踊」・・・出雲阿の国(尾上右近)、名古屋山三(中村隼人)を軸に、元禄の男女が華やかに踊る一幕。尾上眞秀があるバラエティー番組で「(右近は)顔(化粧)がすごくうまい」と言っていた通り、顔はもちろん、すがたや踊りの所作に見惚れる。女形も立ち役も何でもこなす人なのだ。☆「菅原伝授手習鑑」より「車引」・・・梅王丸の六代目尾上菊之助、桜丸の上村吉太朗、松王丸の中村鷹之資いずも初役とのこと。菊之助は小さなからだを精一杯拡げて見得を切る。母方祖父の二代目吉右衛門が得意としていた梅王丸、これから何度も演じる機会があるだろう。杉王丸役の9歳・中村種太郎もよく頑張った。中村又五郎の藤原時平が引き締める。おお、この方も初...【覚書】六月大歌舞伎八代目尾上菊五郎六代目尾上菊之助襲名披露
2025/6/26・倒産寸前の靴工場を父から引き継いだ若き社長が、ドラァグクイーン仕様のブーツ開発で起死回生を狙う話。・舞台作品のイメージが強いけど映画が先だった。・古い文化と新しい社会の対立。色んな作品で描かれている根源的なテーマ。・ドラァグクイーンのローラ。体が大きくて舞台映えする。同時に靴選びに苦労しそうなのもすぐに伝わる。・チャーリーのローラに対する態度は、最初から最後のほうまでだいぶ失礼だったので、時代が進むと受け入れにくくなりそう。・20年前の映画だから今とは価値観も違うだろうし、近年の舞台版はバランスが変わっているはず。いつか見てみたい。札幌に来ないかな。・リストラは映画だとわかっていても見ていて辛い。・腕力が最善かどうかは状況次第。ちょっと調子に乗っているだけの力自慢ならそのまま勝ったんだ...ジュリアン・ジャロルド監督『キンキーブーツ』(2005年)
異邦人(新潮文庫)カミュ新潮社2025/6/26ムルソーは、母親が死んだので主人に休暇を願い養老院に行った。話好きの院長や守衛や入居者たちとともに時間を過ごし、お通夜と埋葬を終えて帰ってきた。二十年以上前に買ってずっと放置していた作品。短いのでいつでも読めると思って文庫を開いたら文字が小さい。目が疲れている夜にはもう読めない。それでも「罪と罰」ほど大変ではないので、章ごとに読んでみるつもり。1942年刊行の作品で、自分が読んでいるのは新潮文庫。こちらの初版は1953年。主人公「私」の一人称視点。今の時点では男性か女性かもわからない。母親が亡くなるというはじまり。自分も離れて暮らしているので、なんとも不快な共感を抱いてしまう。冒頭から人生の中の想像したくない部分を持ってきている。主人公は養老院で、親は親で交...カミュ『異邦人(窪田啓作訳)』第一部/1
広告でよく見る、あのゲーム。 気が付けばっダウンロードしていました。 なんか、ちょうどいい。 いつの間にか、レベル100になっていました。 伊藤裕一公式…
*田村孝裕作五戸真理枝演出公式サイトはこちら紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA29日までその後岐阜県/可児市文化創造センターala(小劇場)公演ありこれまでのblog記事を検索してみたが、もしかするとこれが初田村作品の観劇かもしれない。主人公椎葉里歩はもうじき40歳、優しい夫と暮らし、子どもはいない。両親も元気で仕事にも特に不満はない・・・と言いつつ、実は不妊治療を受けているが夫は積極的ではなく(理由はあとで明かされる)、両親の仲は険悪、仕事にそれほどやりがいも見いだせない。このままでいいのか?日々さまざまな場面に選択肢があり、迷いと後悔を繰り返す。もし別の選択をしていたら、違う人生があるのではないか。舞台にはある選択をした「りほ」(畑田麻衣子)と、違う選択をした「リホ」(吉野実紗)が登場し、互...文学座公演『もうひとりのわたしへ』
WillKindrick『ストーム』2025/6/25男性がマッチングアプリ的な端末を使って、なぜか瞬間移動を繰り返しながら、高相性のパートナーと対面する話。短編作品特有の甘めの世界設計で、マッチング機能の精度の怪しさとか、エラーと瞬間移動の関係とか、繰り返し時の人々の行動に無理があるとか、考えると色々気になるけど、11分しかないのでギリギリ逃げきっているのかもしれない。瞬間移動の理屈は全く分からない。水がきっかけになるところは『テルマエ・ロマエ』と同じで、こちらは時間も場所も遠く離れた風呂文化を強引につなげるおもしろさがあるけど、本作では男女が出会うだけなのでもう一押しほしくなってしまう。女性のほうはなんで裸だったんだろう。たまだま風呂に入っていたんだろうか。でも、裸であることで、同じ経緯をたどってきた...WillKindrick『ストーム』
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