ドストエフスキー『罪と罰(下)』(262~296p)
罪と罰(下)(新潮文庫)ドストエフスキー新潮社2025/3/27マルメの妻カテリーナも死ぬ。家を追い出され、子供たちを連れまわし、往来で大道芸のまねごとをする。レベジャーニコフに発狂したと言われるほどの奇行を見せつけ、肺病が一気に進行してしまった。壮絶。「これ、発狂なのかな」とも思ってしまう。彼女の中ではそれなりの道理があるし。自分の難儀な性格と、不幸な境遇が混ざり合って、結果あんな感じになってしまった。どんなかたち形であれ、母親が死ぬというのは読んでいてつらい気持ちになる。本作はみじめに死んでいく人が多い。セクハラおやじこと、スヴィドリガイロフが急に出てくる。よりによって、こいつが真相に気づく。まさか彼が本作のキーマンになっていくのか。今のところ、カテリーナの子供たちを大金を添えて孤児院に送ったり、本当...ドストエフスキー『罪と罰(下)』(262~296p)