博多座十一月花形歌舞伎「あらしのよるに」

博多座十一月花形歌舞伎「あらしのよるに」

 風が吹きすさび、薄く月光の射す夜の岩山。重く響く太鼓の音にあわせて、こちらの崖から一頭、あちらの岩陰にまた一頭と現れる狼たちの姿。客席ごと一気に物語の世界に引き込んでしまう見事な幕開き。階段状のセットを置いて高低差をつけた舞台のつくりも効果的。  何も見えない、鼻も利かない真っ暗闇のあらしのよるにであった出会った狼のがぶと山羊のめい。すっかり打ち解け仲良くな…